広い海に出てみよう

今日,2年生の家庭科の授業で地域の人(大竹料飲同業組合)を講師にお迎えし「魚料理講習会」を実施しました。

魚の種類を漢字で書くと『鰯』『鯛』『鱚』『鰺』『鯖』『鮫』『鮪』『鰹』『鰤』と書きます。

今日の調理した魚は『鯖(さば)』でした。

講師の先生に手ほどきをうけながら,ウロコを取り、さばくことから始めました。

大竹料飲同業組合の皆様ありがとうございました。

さて,今日のダイアリーのタイトルは『広い海に出てみよう』

朝日新聞デジタルに記載されたものです。

少し,長いですが,読んでみてください。どう感じるでしょうか。疲れたら,やめてください。

 

東京海洋大客員助教授さかなクン

中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。

 でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。

 広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。

 中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。

 ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。(朝日新聞2006年12月2日掲載)