ああ、世論調査(Ⅱ)

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 富裕層から得たアンケート結果と複数の階層から集めた結果とではどちらが全有権者の投票行動に近いか?
 いうまでもなく後者の調査方法である。しかし、ギャラップ社にしても12年後の大統領選では、ハリー・トルーマン候補の当選をはずしている。
 当時の専門家による調査と分析は、次のように報告している。
割り当て法は、調査対象者の集合が全有権者の縮図(ランダム・サンプル)となるように配慮したもので、その点は妥当である。
ただし、グループごとの調査では、一戸の家族のように調査対象が複数の場合、構成員の誰に調査するかは調査員個人の判断にまかされている、
その結果、調査は調査員の好みや頼みやすさなど、調査員の主観に左右され、そのことが調査結果に偏りを招いた…。
 日本でも直近の衆議院総選挙においてメディア各社の予想が発表され、大きな話題となった。
 調査にあたってひろく“RDD(Random digit dialing)法”が採用されているが、対象を電話保有者に限定している点において、今後どのような波乱を招くか興味を持って注視している。
 ※ なお、現在では選挙の予想にあたって、偏りをできるだけ小さくするため、出口調査、地区ごとの情勢分析などが考慮されているようである。また、グループ分けにあたっては、当時の単純なグループ分けに改良を加えた“層化無作為多段抽出法”が採用されている。